9月のトラズ・オズ・モンテスーブドウの収穫とアーモンド剥き
私の住む地方では、9月と言えばぶどうの収穫時期です。ワインで有名なドウロ地方はもちろんのこと、トラズ・オズ・モンテス地方でも、ブドウを栽培する農家や個人の家で収穫が行われます。そして、昨日、知り合いがブドウの収穫を手伝いに来ないかと誘ってくれたので、一度やってみたい、とその機会を虎視眈々と狙っていた私は、勇んでヴァルパッソス(Valpaços)へ。朝8時集合と言われたのに、折角の週末だからと惰眠を貪っていたら、大幅に遅れての10時到着。既に皆さん、大分仕事が片付いてしまっています…ごめんなさい。
ここは遅れた分を挽回せねば、とハサミ片手に早速収穫作業開始。農作業は、何が面白いって、何も考えずに単純作業に没頭できるところです。黙々とブドウの穂軸を探し当て(時々果実が絡まり合っていてこれを探し当てるのに苦労します)、切り取ってはバケツに入れていくーそんな作業の繰り返し。ハサミが結構大きくて、しかもよく切れるので、息子は畑でイナゴ捕り。最近寒さが増してきたので、防寒具をいろいろ持ってきたけれど、天気に恵まれ思いの外暑くなり、よかった!
摘み取り作業が終わると、ブドウ畑のあちこちに散らばっている収穫コンテナに入ったブドウを一か所に集約します。肉体労働からは完全に遠ざかっている私は、収穫コンテナを持ち運ぶ作業が終わった頃には、朝早くから働いていらっしゃる皆さんの手前大きな声では言えないけれど、砂地で足がもつれ気味になるくらいのいい感じに疲れ切り、「お昼ご飯にしよー!」という声に正直ほっ…(笑)。
さて、収穫作業が終了した私達は、自宅に招かれてお待ちかねのランチ。食事の準備ができるまでの間、フォラール(folar)をつまみながら、自家製ジェロピーガ(jeropiga:ブドウ果汁に発酵を止めるためにアグアルデンテを付加して作られる酒精強化ワイン)に舌鼓。その後、皆で自家製ワインとフェイジョアーダのランチを頂きました。ちょっと、ジェロピーガもワインも普通においしいんだけど(驚)!
ちなみに収穫されたブドウは大きな桶の中に入れられ、作りたいお酒の種類に応じて、足踏み(圧搾)や発酵期間を変えていきます。
下の写真は、既に先週収穫したブドウが入った樽からブドウ果汁を少し取り出して、糖度を確認しているところです。4度を超えてはダメで、腐敗を避けるためできるだけ糖度を下げる必要があるとの説明。
さて、食事が終わって一息ついた私達は、また別の作業を開始しました。これ、何だと思いますか。アーモンドの皮剥きです。
9月と言えば、アーモンドの収穫時期でもあるのですね。2月から3月くらいにアーモンドの花が咲くイメージはあったのですが、収穫期がこの時期だとは恥ずかしながら、この地方在住8年にして初めて知りました。しかも、アーモンドって二重に皮がついているという事実も初耳。ここでは、収穫したアーモンドの殻の外側についている皮を剥く作業です。
お店で売っているアーモンドは、殻付きアーモンドか、殻無しアーモンドかのいずれかですよね。へー、アーモンドって実はこんな構成になっているんですね。ありがとうございます、勉強になりました!
いろいろ、興味深い体験させてもらって、しかも遅刻して大して働いてもいないのに、作業のお駄賃として、ワインやアーモンド、そして(ワイン用ではなく)食用のブドウまで頂戴し恐縮しっ放しの一日でした…。でも何よりも、こういう貴重な体験をさせてくれる人や環境に恵まれていることに心から感謝!