ドウロ、トラズ・オズ・モンテス地方の愉しみ方

イースターに食べる!フォラール・デ・ヴァルパッソスーFolar de Valpaços

2018/11/18
 
フォラール
この記事を書いている人 - WRITER -

日本では新学期が始まり新生活開始でこれから!というこの時期、ポルトガルの学校では先週からイースター休暇に突入。イースターと言えば、こちらではチョコレートコーティングされたアーモンド、”アメンドア(Amêndoa)”を食べるのが恒例かと思いますが、これ以外に特徴的なのがフォラール(Folar)です。ポルトガルはその面積92千㎢(参考までに日本は378千㎢)と小さな国なのですが、私の知る限りフォラール一つとっても地域差があったりします。例えば、沿岸部で一般的によく目にするのは、こちら。玉子が殻ごと入っていて甘い生地のフォラール。

フォラール

沿岸部でよく見掛けるフォラール

今回は、そんなフォラールの中でもトラズ・オズ・モンテス(Trás-os-Montes)のヴァルパッソス(Valpaços)という街の “フォラール・デ・バルパッソス(Folar de Valpaços)” についてお届けしたいと思います。というのも、ここのフォラールはIGP(Indication Geographique Protegee)に登録されているという点で、ちょっとユニークな存在なのです。この”フォラール・デ・バルパッソス”はヴァルパッソスの街の人達にとっても誇りであり、イースターが近くなると”フェイラ・ド・フォラール(Feira do Folar/フォラール市)” が開催され、微かな(笑)賑わいが街に訪れます。

フォラール・デ・ヴァルパッソス

フォラール市では、様々なパステラリアのフォラールが売られる

フォラール・デ・ヴァルパッソスは、一般に、卵、オリーブオイル、バター、小麦粉、ふくらし粉の生地に生ハム(presunto)、サルピカン(salpicão)、リングイッサ(linguiça)といった豚の燻製・腸詰と豚の脂を入れ込んで型に入れて焼いたものです。ほぼ地のものを材料として作られます。例えば、卵は家又は近所で飼われている鶏から、豚の燻製類は自家製、この地域はテッラ・ケンテ(Terra quente)に該当しオリーブオイルはポルトガルの中でも有数の生産地…とまさに内陸の食がそのまま詰め込まれたフォラールなのです。

フォラール

地卵

フォラール

豚肉の燻製、腸詰、脂

このテッラ・ケンテという言葉は、トラズ・オズ・モンテスにいるとよく聞く言葉です。トラズ・オズ・モンテス地方の生態系、特に農耕作物の種類と関連づけて使われます。トラズ・オズ・モンテスを、大体その北東部ブラガンサ(Bragança)ディストリクト辺りとそれより南西部に大きく二分し、前者をテッラ・フリア(Terra fria 直訳すると寒い土地)、後者をテッラ・ケンテ(Terra quente 直訳すると暑い土地)と呼びます。典型的なところでは、前者では栗、後者ではオリーブが栽培されることで有名です。

そんな地の幸たっぷりのフォラール。トラズ・オズ・モンテスらしい一品です。

 

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください