ドウロ、トラズ・オズ・モンテス地方の愉しみ方

ポルトガルの子供達は休みの日に何をするのか?

 
FCポルトグラウンド
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皆さん、夏休みいかがお過ごしですか?ポルトガルの公立小学校の夏休みは、大体6月最終週辺りから9月初旬までの約2か月半超。しかも、学年の変わり目なので、宿題もありません。新学期が始まればこのほか、冬はクリスマス前から年明けまで、春はイースター、とそれぞれ2週間程度の休みが入ります。そんな休み、正直長過ぎて親としては子供をどう過ごさせたらいいのかオロオロしてしまうのは私だけでしょうか。

自分が小学生だった頃、これだけの時間をどうやって過ごしたんだろう???と今更ながら驚きですが(もちろん夏休みはもっと短かったけれど…)、ささやかな家族旅行や祖父母宅でのお泊り以外は、妹や近所の子供達などその時々、自然に集まってきた人達と一緒に遊んでいたのでしょう…。日本でもそのような光景は今でも見られることなのか、それとも田舎だったから見られたことなのか定かではありませんが、こちらでは、親の共働きが一般的で、近所で子供達が自律的に集まって遊んでいるということは非常に珍しく、私の経験上、幼稚園に入る前の息子を連れて3年間毎朝公園に通っても、誰かに会って一緒に遊ばせられることはほぼありませんでした…(今では死語なのかもしれませんが「公園デビュー」とは無縁の日々でした~笑)。

前置きが長くなりましたが、ポルトガルではこのような休みに、様々なところで子供達を集めてアクティビティを提供してくれるCampo de férias(カンポ・デ・フェリアス)と呼ばれるサービスがあります。両親の共働きが一般的なポルトガルでは、このようなサービスを利用すれば学童のように少なくとも同年齢の子供達と過ごさせることができます(とは言え、8月やクリスマスなどの重要なイベント前後は私が知る限り完全休業が一般的です)。自治体が主催しているものもあれば、大学や私的団体がやっているものもあり、場所を選ばなければ特に夏休みはプログラムが豊富です。もう少し大きくなれば娘さんをイギリスの大学のプログラムに参加させたという話も聞くので、予算との相談で夏休みを戦略的に使うのも手ですね。

という訳で、この夏休み我が家もどのアクティビティに参加させるか?という議論?!が紛糾するかと思いきや、友達と一緒に参加したいと言う本人の意思で近場の市が運営するカンポ・デ・フェリアスにあっさり決まり。事前に息子にどのアクティビティに参加させるかで揉めた?今年のイースター休みとは大違い。揉めたと言っても当初候補は2つのみでした。1つは、去年の夏に参加して趣向が異なり面白かったマテウス館(そうそう、日本でもお馴染みのあのマテウスロゼのラベルに描かれている建物です)で行われる文化プログラム。もう1つは、完全な夫の趣味でFCポルト(ポルトガルのポルトに拠点を置くサッカーのクラブチーム)主催のサッカープログラム(関連してFCポルト博物館についてご興味があればこちらへ)。我が家では、義父から脈々とFCポルトサポーター魂が受け継がれ、私以外は皆ポルティスタ(ポルトのサポーター)。最近はポルトに限らず草サッカーの試合観戦が我が家恒例の暇つぶし?で、サッカーど素人の私ですが、最近勝手にサッカーが分かったような気になっています(笑)。

さて、話を戻して、俎上に上がった候補のうち前者の場所はヴィラ・レアル、マテウス。去年の夏1週間午後だけのプログラムに、我が家と同じようにお子さんを音楽学校に通わせている女性に誘われて、息子を参加させてみることにしました。祖父母宅を訪れていた別の地に住むという参加者もいたようです。少人数でマテウス館を見学して、同館で絵を描いたり、お料理や工作をしたりと、子供達を遊ばせてプールに連れて行くということの多い他のカンポ・デ・フェリアスが体育系とすれば、こちらは内容が完全に文化系に徹しています。

マテウス館

カンポ・デ・フェリアスが行われたマテウス館

マテウス館

プログラム参加者が描いた絵やお手製の軽食

マテウス館

マテウス館

協議の末、サッカー好きの息子が採択したのは、FCポルトのカンポ・デ・フェリアス。4日間ポルトに車で通うのは僻地に住む我が家にとってウクライナ戦争が始まって以来少々贅沢な選択ではありましたが(笑)、夫の好奇心も相俟ってあっさりポルト行きと相成りました。さて、こちらのカンポ・デ・フェリアス、午前・午後・全日の3つの選択肢があり、我が家はプログラムを見ながら午後を選択(半日4日間65ユーロ)。基本的に年齢別のグループ(sub (=under)10, sub (=under) 11など)に分かれて、休憩時間(健康志向の間食が提供されます)以外はひたすらサッカーをするというプログラムです(午前中はサッカー・スポーツに関連する講義も行われているようでした)。最後に個人の能力をドリブル・パス・ボール操作能力などいくつかの項目に分けて評価した修了証書が授与されます。

FCポルト カンポ・デ・フェリアス

参加しているのは基本的にポルト近辺在住の子供達ですが(カンポ・デ・フェリアスなのでFCポルトのクラブチームの練習ではありませんが、ドラゴン・フォース所属の子供達も何人かいたようです)、施設に併設されているショップではプログラム終了後の子供達が話す英語やスペイン語などが聞こえてきたので、ポルトガルで過ごす休暇の合間に子供を参加させている親御さんもいらっしゃるのでしょう。サッカー好きの子供を持つなら、ちょっとした話のネタにこういうアクティビティに子供を参加させることを考えても面白いかもしれませんね。ちなみに我が息子は、都会の子供達のませた発言に触れて目を丸くしつつも大満足で帰って来ました。親としてはほっとしつつ家路についたのでした。

 

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