最近急に、運動不足による体の不調を感じるようになり、少しでも体調改善になるのでは、と仕事が夜遅くならない日には、家の近くの遊歩道を歩くようにしています。スピードを上げて歩くと効果的と読んで、早歩き(傍から見ると、そんな気配は1ミリもないのでしょう笑)したり、たまに、すれ違う人に、「おー!頑張るねー!」と言われると気をよくして、更に調子に乗ってスピードを上げるも、ちょっと気を抜くとあっという間にスピードダウン、早歩きは意外と難しいのですよ。
そうこうするうちにもう10月。大分気温も落ち着き、天気にも恵まれた週末。折角なので歩きたい!前の日に自宅近辺(?)のトゥア渓谷とドウロ渓谷のトレッキングコースをネットで探し出し、我が家唯一のドライバーである夫に提案するもあっさり却下。先週少し遠出をしたので、高騰するガソリン代の節約も兼ねて、今週は家の近所を歩くことになりました。余談ですが、世界的な燃料価格の高騰で、ポルトガルでも政府が燃料税(ISP)を毎週見直して軽減してはいるものの、価格が下がりそうな週には軽減幅を縮めるため、燃料費は結構なボディブロー。ガソリンも軽油も最近は1リットル2ユーロ台前半を推移しており、何ならスペイン国境付近のポルトガル住民は少しでも安価な燃料を求めてスペインに給油に行くようです。
ヴィラ・レアル駅と廃線跡の遊歩道
さて、そんな訳で今日は家の近くの遊歩道をドウロ川の方に下っていくルートを歩くことになりました。ちなみに、先程から「遊歩道」という言葉がよく出てきますが、これは、実は従前鉄道の線路があった場所が、廃線によって「遊歩道」に生まれ変わったものです。ヴィラ・レアルは2009年に廃線になるまでは列車が走っていました。その名残で、今でも駅舎はそのまま保存(放置?)されています。
この駅舎の前の線路が撤去されて、今は自転車と人が行き来できるようになっています。ヴィラ・レアルを通るこの路線は従前Linha do Corgo(コルゴ線)と呼ばれ、南はRégua(レグア)、北はVila Pouca de Aguiar(ヴィラ・ポウカ・デ・アギアール)を経てChaves(シャヴェス)までつながっていました。ただ、ヴィラ・レアルから北の区間はひと足早く1990年に廃線となっています。
この日、私達はレグア方面に南下することにしました。上の写真の手前側に向かって歩きます。
Réguaまで一本道25kmの距離。今回私達はそのルートを往復することを前提に適当なところで折り返してくることにしました。
高速道路の橋をくぐって:鉄道は残すべきだった?
自然で囲まれたこの場所に、眼前に迫りくる高速道路の橋。この下をくぐってずっとまっすぐ歩いていきます。
「この鉄道は、観光がもたらしうる経済活性化の観点から残すべきだった」自然が織りなす美しい景色を前に、息巻く夫。その隣で、採算が合わないんじゃ…ともっともらしいありきたりな答えしか思いつかない私。実際、京都の嵯峨野トロッコ列車のように、廃線を活かして観光客を集めた成功例があるようです。ただ、2014〜2020年の公共投資の約9割をEUの結束政策(コヒージョン・ポリシー:EUの中で経済的に遅れた地域を底上げするための資金政策)の資金でまかなっていたこの国で(欧州会計検査院Review 04/2025: The Future of EU Cohesion Policy AnnexⅠ)、一度撤去した線路を敷き直すには、EUの財布のひもがよほど緩む必要がありそうです(笑)。
とはいえ、鉄道を惜しむのは夫だけではないらしく、2026年7月、ポルトガル国会は、市民団体などによる署名運動を背景に、コルゴ線の再開を政府に勧告する決議を反対票なしで可決していたようです(法的拘束力はなし)。再開を求める人たちが望んでいるのは、地域経済・暮らしを改善する鉄道。一方、沿線の自治体は線路跡を遊歩道にする工事を進めていて、鉄道の復活を国会が後押しする中で遊歩道づくりが進むという、なんとも複雑な状況になっています。
ちなみに、実用性重視の私としては、どうしても「実際に使えるのか」が気になってしまいます。旧コルゴ線沿線で一番大きな町は、この地域の中心都市ヴィラ・レアル。地域の足として考えるなら、まずはポルトとヴィラ・レアルを行き来できるかが鍵になるはずです。ところが、ポルト・レグア間だけで1時間半以上かかり、そこからさらに北上してヴィラ・レアルに着くことを考えると、現在1時間程度でポルトとヴィラ・レアル間を走る車には勝ち目なし。地域内を移動する車を運転しない層の利用は多少見込めるかもしれませんが、単線で本数が少なければ使い勝手が悪く、結局「採算が取れない」で終わってしまう気がします。そして、何よりも財務上の目途がつかなさそう…(笑)。
そんな地元談義に事欠かないハイキングコースですが、確かにこの景観は素晴らしい!
時間がたっぷりある人がのんびり「ポルトガルの車窓から」を体験するには最適な場所だったことでしょう。ちなみに、観光スポットであるドウロ川沿いの路線は今も現役で、「車窓から」を楽しめます。
秋の恵みがいっぱいの道
この山道は、この地域の秋の恵みを感じられるコースでもありました。10月の今、葡萄の収穫はもう終了したけれど、まだまだ、オリーブ、栗、と秋の恵みの収穫は続きます。また、最近は太陽の光に痛みさえ感じますが、このコースは比較的木陰も多くて、歩きやすいと感じました。
レグアまで歩くなら
やる気だけは負けない私が体力的には一番しょぼいので、散歩に毛が生えた程度の気合だった今回は、ヴィラ・レアル駅の次の駅までも辿り着けませんでした…。本気でレグアまで走破するなら、自転車にするか、またはレグアまで歩いて帰りはバスで戻ってくる、というルートなのでしょう。ちなみに、レグアとヴィラ・レアル間はバスで30分程です。
足に自信のある方、是非チャレンジしてみてください!











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