ヴィラ・レアルを歩くーVila Real
近いうちに日本からヴィラ・レアルを訪れるという貴重なお客様がいらっしゃるので、この機会にヴィラ・レアル基本情報を紹介していきたいと思います。
1.ヴィラ・レアルとは
ポルトの東100km弱に位置する内陸の街。街を含む地区全体の人口は51,850人(Pordata2011年データ参照)。ポルトからヴィラ・レアルを通って北はブラガンサ、南はレグア方向に道路が敷かれていることもあり、トラズ・オズ・モンテス、ドウロ地方への起点となっています。
2.アクセスについて
廃線後の駅は残っていますが、現在電車は通っていません。という訳で、公共の交通機関を使う場合には、アクセスはポルト・リスボンからバス、またはリスボン(カスカイス)から飛行機ということになります。
(ポルトから)
最近、ポルト発着の長距離バスのバス停は、ポルト・カンパニャー(Campanhã)駅に集約されました。そのため、バス会社ごとに乗り場が違うということはなくなりました。ただ、まだ整備中のせいか駅構内の方向案内の看板と実際に使用できる通路がちぐはぐだったりするので、迷ったらすぐに係員かジモティらしき人に”Terminal rodoviário(バスターミナル)”はどこか聞きましょう。
バス会社は、Rodonorte社(http://www.rodonorte.pt/en/)、Rede Expressos社(https://www.rede-expressos.pt/en)がポルトからヴィラ・レアルまで走っています(前述のサイト右上ENをクリックすると英語になります)。但し、2019年11月25日以降、両社は個人輸送業務につき統合され、オンラインでチケットを入手するなら、Rede Expressos社のサイトにアクセスして購入しましょう。チケットはバスターミナルの窓口でも買えますが、基本的にオンラインの方がお得です。片道、所要時間約1時間半、料金10ユーロ。往復値引き、オンライン値引きあり。ちなみにバスは、切符に記載されている座席番号通りに座る人はまれで、皆好き勝手な場所に座っているので、座席番号は実質的にバスの定員管理のためだけに機能しているということでしょうか…。
このほか、最近Flixbus社(https://www.flixbus.pt/)もポルトとヴィラ・レアル間を走っており、本数は限られますが、早めに予約してオプションをつけなければ、かなりお得な料金で行き来できます。
(リスボンから)
Rodonorte社、Rede Expressos社等のバスがリスボンからヴィラ・レアルまで走っています。片道、所要時間約5時間、料金20ユーロ強。往復値引きあり。ポルト同様にFlixbus社が運行しています。最低9.99ユーロ~とこれまた価格破壊が起こっています。
飛行機の場合、Seven air社(https://fly.sevenair.com/)がカスカイス(リスボン市内からカスカイスの飛行場まではリムジンバスが走っています)とヴィラ・レアル間を1時間10分で繋いでいます。
3.ヴィラ・レアル到着後の市内へのアクセス
(バスターミナル)
長距離バスのバスターミナルは一ヵ所で、ここに複数のバス会社が乗り入れています(4.ヴィラ・レアルの地図上、Rua Dom António Valente da Fonseca/ドン・アントニオ・ヴァレンテ・ダ・フォンセカ通り沿いの方)。パリやマドリッド行きのバスも止まります。街の中心まで徒歩で5分程度。バスターミナルの出入口前にLordelo行き及びUTAD(大学)行き1番、UTAD行き(週末は大学には行かずショッピング・モール又は大学手前まで)4番、UTAD経由Zona Industrial行き3番のローカルバスの停留所があります。宿泊先が決まっていて荷物が多い場合はターミナル出入口付近でタクシーを拾えます。
4.ヴィラ・レアルの地図
市役所のサイトで地図が見られます。
https://www.cm-vilareal.pt/images/turismo/mapa_cidade.pdf
最近、地図がアップデートされて英語の表記もできたようですが、念の為日本語表記の説明も残しておきます。
Biblioteca | 図書館 | Olaria Negra de Bisalhães | ビザリャンイス黒陶器 |
Bombeiros | 消防署 | Parque de Campismo | キャンプ場 |
Câmara Municipal | 市役所 | Parque de Estacionamento | 駐車場 |
Cemitério | 墓地 | Parque Infantil | 公園 |
Farmácia | 薬局 | Posto de Correios | 郵便局 |
GNR/PSP | 警察署 | Praça de Taxis | タクシー乗り場 |
Hospital | 病院 | Terminal Rodoviário | バスターミナル |
Mercado Municipal | マーケット | Tribunal | 裁判所 |
Posto de Turismo | 観光案内所 | Universidade | 大学 |
5.路線バス
ヴィラ・レアルを走っているのはUrbanos(ウルバーノス)社のローカルバスです。以下のサイトで路線図が確認できます。
念の為、以下に主なバスルートとその主な停留所を示しておきます(観光時に使いそうな停留所名は太字)。マーケットや裁判所ならどんなバスでも止まるということですね。尚、バスは乗る際にお金を払って乗ります。何度も乗る場合はプリペイドカードを市内販売所で買うことも可能。停車場所を放送も表示もしてくれないので、乗車の際に運転手さんにどこで降りるか念押ししておきましょう(笑)。
バスルートの種類 | 主なルート |
1番 Lordelo⇔UTAD |
Lordelo-Hospital-Terminal Rodoviário-Tribunal-Mercado-Mateus-UTAD ロルデロ-病院-バスターミナル-裁判所-マーケット–マテウス-大学 |
2番 B. do Boque⇔P. de Cunhos |
Bairro do Boque-CC Dolce Vita-Av. Europa-Mercado-Tribunal-P. de Cunhos バイロ・ド・ボスク-ショッピングモール‐ヨーロッパ通り-マーケット-裁判所-パラーダ・デ・クニョス |
3番 Flores⇔Zona Industrial |
Flores-Igreja S. Pedro-Mercado-Tribunal-UTAD-Aeródromo-IEFP フローレス-サン・ペドロ教会-マーケット-裁判所-大学-飛行場-IEFP |
4番 Montezelos⇔UTAD |
Montezelos-Mercado-Tribunal-Av. Europa-CC Dolce Vita-UTAD モンテゼロス-マーケット-裁判所-ヨーロッパ通り-ショッピング・モール-大学 |
尚、街の中心部のみを散策するならバスは必要ありません。
6. ヴィラ・レアルに来たら個人的に見て&食べておいたらいいと思うもの
Casa de Mateus(マテウス館)
ベタですが、わざわざはるばるヴィラ・レアルまでやって来たなら、こちらへ。やはり日本人の私達にとってこの街の中で一番馴染みがあるのがこれではないでしょうか。春になり気温が上がってきて最近我が家でも飲む頻度が上がってきましたが、マテウスロゼのボトルのラベルの建物はこのマテウス館なのです。
ポルトのグレゴリウス塔と同じ建築家ニコラウ・ナソーニによるバロック様式の邸宅です。尚、マテウス館のサイトにワインの記載がありますが、これはマテウス館オーナーのワイナリーで製造されるワインで、マテウスロゼではありません。マテウスロゼはソグラッペ社が製造しており、マテウス館の外観をラベルに使用する権利を使用しているだけなのですね。以前はその対価としてそのワイナリーで採れる葡萄を買い取る契約だったものがその後、外観使用料を支払って使用…といろいろと過去には事情があったようですね。ちなみに、私が一度訪れた際には館内に一つだけ日本からの家具があると案内されました。興味があればガイドさんに聞いてみてください。
(行き方)
Urbano社バス1番「UTAD行き」に乗り「Mateus(マテウス)」で下車。街の中心からバスで約15分。バス停を降りたらそのまま直進すると右手に入口。入場料・ツアーガイド(英語有)についてはサイト参照。
http://www.casademateus.com/?lang=en
Covilhete(コヴィリェッテ)
ヴィラ・レアルの街のカフェならどこででも売っています。ペイストリー生地の中に牛挽肉が入ったもので、他のパン類に比べて大きさは控え目。カフェでは甘いもの系(Doce)、又は甘くない系(Salgado)のパンが食べられますが、内陸部のカフェは沿岸部に比べてどちらかというとコヴィリェッテやPastel de Chaves(パステル・デ・シャーヴェス)等、甘くない系が主流。買って持ち帰ってもいいし、Café(カフェ、いわゆるエスプレッソコーヒー)は1杯60-70センティモ(1ユーロ=100センティモ)程度なので、中で休憩してもOK。ちなみにカフェだと濃いという場合は、Garroto(ガロット)、通じない場合は、Pingo(ピンゴ、カフェにミルクのピンゴ(滴)を垂らしたものーミルク多めが好みならPingo Clarinho(ピンゴ クラリーニョ))と言えばカフェと同じ大きさのカップにミルクを足したカフェが出てきます。ちなみに、こちらでは農産物が日本に比べて安いので、フルーツの搾りたてフレッシュジュースも手頃な値段で飲めますよ。
ビザリャンイスの黒陶器
その製法が2016年にユネスコ世界遺産に登録された地元産の陶器。興味があれば是非足を運んでみてください。
https://goen-portugal.com/blog/barro-preto-de-bisalhaes/
番外編1ーSé(司教座聖堂)のパイプオルガン演奏会
月に1回教会でパイプオルガン(2,180本のパイプ)の演奏会が行われています。ポルトガルらしく21時スタート。入場料無料。演奏会の日程は教会の出入口に貼ってあります。ちなみに今年の予定はこうなっています↓。
番外編2ー市民の憩いの場
自然に囲まれてちょっと休憩ならParque Corgo(コルゴ公園)。コルゴ川沿いの遊歩道を地元民がジョギングしたりウォーキングしたり、犬の散歩をしたりしています。もし、サッカーの国際大会でポルトガル戦のある日にヴィラ・レアルにいたら、Jardim de Carreira(カレイラ庭園)を覗いてみてください。大スクリーンで地元民に混じって観戦というのも面白い体験かも。
番外編3ーマーケット
海外に行くとマーケットを見たいと思う人のために一応情報として入れておきます。ヴィラ・レアルのマーケットは週2回火曜日と金曜日の午前中に開きます。街の中心にあるのは食品のマーケット。食品以外のマーケットはLordelo行き1番のバスに乗ってQuinta da Petisqueira(キンタ・ダ・ペティスケイラ)下車目の前。
7.その他
ポルトと同じ気候と思って出掛けるとビックリ!ということも。年間気候についてはこちら。
ヴィラ・レアルの年間行事の中で大規模なものは、Santo António(サント・アントニオ祭)とここ4年連続して行われている国際カーレース大会WTCR(World Touring Car Cup)です。街をあげてのカーレース、2019年は7月5日~7日の日程で行われる予定です。