トラズ・オズ・モンテスに来たら食べたい牛ステーキーポスタ
ポルトガルと言えばイベリア半島の西端に位置し、それこそユーラシア大陸の最西端に位置するロカ岬(ポルトガルの有名な詩人Camões(カモンイス)の詩の一節”Aqui…Onde a terra se acaba e o mar começa(ここに地終わり海始まる)”の石碑でお馴染みの…宮本輝の小説のタイトルと言った方がより身近に感じられるでしょうか)を擁するという意味で、新鮮な魚介類を食せるというイメージが強いかもしれません。もちろんそれはそれで事実なので、海岸沿いでは是非是非海の幸をご賞味ください。とは言え、今回のテーマは「Trás-os-Montes(トラズ・オズ・モンテス)に来たら食べたい」ものなので、魚介類が大好きな私としても残念ではありますが内陸の食についてお届けします。
何と言っても私のイチオシは、Posta(ポスタ)です。所謂ステーキ、粗塩をふった牛肉を焼いただけの極めてシンプルな料理(?)です。言葉で説明するより、写真を見て頂いた方が早いと思うので、上の写真をどうぞ。肉の高い日本で育ったせいか生来の貧乏性のせいか、初めてこの肉を見たときの衝撃、この気前の良い肉の大きさにびっくり(1人1人前の注文は危険なので、必ず店の人に確認しましょう)。通常、ジャガイモ(大抵フライドポテトか写真のようなポテトかを聞かれます)や野菜の付け合わせが一緒についてきます。ちなみに、ジャガイモは日本人の感覚からしたらおかずの感覚ですが、こちらでは、ジャガイモかご飯かという主食の扱いです。
肉でDOP(Denominação de Origem Protegida)保護原産地呼称(EU内の一定の基準を満たした特定の地方原産の食品につけられる、例えば良く知られたところで言えばシャンパンがこれに該当するでしょう)にこだわるなら、トラズ・オズ・モンテスならCarne Maronesa(マロネーザ牛:Marão(マラン)Alvão(アルヴァン)Padrela(パドレラ)に渡る山地で特定の肥育法で生産される牛種)やCarne Mirandesa(ミランデーザ牛:Bragança(ブラガンサ)、 Macedo de Cavaleiros(マセド・デ・カヴァレイロス)、 Miranda do Douro(ミランダ・ド・ドウロ)等ブラガンサ地区で特定の肥育法で生産される牛種)のポスタ、要するにポルトガルのブランド牛で頂くというのもありですね。尚、レストランでは、「レア、ミディアム、ウェルダン?」等と気を利かせてはくれません。こだわりがあるなら、先回りして言いましょう(言った通りのものが出てくるかは別として)。サーロイン、ヒレなんていう異なった選択肢もありません。辛いのがお好きな方は、”Piri piri, se faz favor(ピリピリ スィ ファシュ ファヴォール).” と言えば、沖縄のコーレーグスを彷彿とさせる唐辛子調味料を大抵どこのレストランでも出してくれます。それにしても、唐辛子がピリピリだなんて「そのままやん!」とつっこみたくなりません?