ヴィラ・ノヴァ・デ・フォス・コアで遺跡を見るーParque Arqueológico de Foz Côa
ヴィラ・レアル(Vila Real)がWTCRに沸く日曜日、かねてから行きたかった岩絵遺跡を見に行くことにしました。目指すはドウロ地方ヴィラ・ノヴァ・デ・フォス・コア(Vila Nova de Foz Côa)。ヴィラ・レアルから車で約1時間半のこの場所には、ユネスコ世界遺産に登録されている後期旧石器時代の岩絵(ペトログリフ)の遺跡があるのです。最近は晴れると暑く、曇ると寒いという両極端な天候で、前もって予約を入れた(遺跡の訪問は事前予約が必要です)この日はまさかのかんかん照り。夏には近寄るなというアドヴァイスにもかかわらずやってしまった感満載のこのお出掛け、朝からSPF50の日焼け止めをべったり塗りたくり「その時」に備えることにしました。
まず向かったのはコア博物館(Museu do Côa)。日曜日午前中は無料と書いてあったので、既に行ったことはあったけれど我が強欲っぷりは健在、この機会を逃がさんとばかりに朝一から張り切って出発。強い日差しが照りつける中博物館に到着。この博物館はいつ見ても近代的でいかにも建築家によるデザインの造り。
受付を済ませて中に入っていくと、先月亡くなったジュリオ・ポマール(Júlio Pomar)の企画展をやっていました。個人的には小さな版画様の作品に見惚れました。
さて、本来の目的の博物館の常設展へ。全体的に暗めでモダンにまとまった展示。本日訪問予定の遺跡に関する予備知識を…と意味もなく焦る。
忘れずに博物館の裏側に回ってドウロ川を望みます。
そろそろお腹も空いてきてランチタイム。何度か行ったことのあったお気に入りのレストランは残念ながら既に廃業となっていたので、別のレストランを試してみることに。
炎天下の中、外のテラスは遠慮して中で(常温でなく)冷えた赤ワインを片手にお魚料理。
この近辺では、このドウロ川の川魚のフライを供するレストランがちょこちょこ見られます。通常、お店独自のソースを掛けて頂きます。
さて、お腹も満たされたところで、いよいよ本日のメイン・イベント岩絵遺跡へ。帽子と水は必須と書かれていたので、水を買うためにスーパーに立ち寄ります。こういう所でヴィラ・レアルでは見掛けない地元のワインを物色するのも旅の楽しみ。今回見学する遺跡はペナスコーザ(Penascosa)遺跡(いくつかあるので特に行きたい場所がある場合は予約時に相談しましょう)。スタート地点カステロ・メリョール(Castelo Melhor)に到着、ガイドを待ちます。
さて、現れたガイドさんはポルトガル大好きを公言する朗らかなスペイン人、「私よくしゃべるからー」と言いながらスペイン語混じり(本人曰くスペイン語なまり)の弾丸トークを繰り広げます(笑)。ツアーはジープで移動。サウナ化したジープの中の暑さにくらくらしながら外の景色に見入る(何と車内の温度計はまさかの50℃を表示!壊れてる?!)と、そのうち一度見たことのある光景が目に入りちょっと興奮。そう、キンタ・デ・エルヴァモイラ(Quinta de Ervamoira)です。
ここは、ラモス・ピント(Ramos Pinto)のワイナリー。ドウロ地方を3区分したうち一番東のドウロ・スペリオール(Douro Superior:より内陸の気候なので乾燥しており気温の寒暖差が激しく一般的により高品質のワインが生み出されるそうです)に位置します。そしてこのワイナリーも前述の世界遺産に含まれています。ワイナリーツアーはジープで行われるという点がちょっと物珍しく、製造過程の見学はないですが、個人的には特にその光景が好印象だったワイナリーです。前回2015年に訪問した時の写真を参考までに。
話を元に戻します。今回の旅の最大の目的である岩絵のある目的地に着いた私達は、ジープを降りガイドさんの説明に聞き入ります。ここペナスコーザで見られる岩絵は動物です。
絵も時代と共に発展を遂げるのですね。こういうものが時を経て今を生きる私達が観賞していると思うと妙に感傷的になりますが、それもこれも、これを見逃すことなく発見し、文化遺産として残すように仕向けて下さった方々のお陰ですね。
ペナスコーザの岩絵ツアーは約1.5時間、大人15ユーロ、子供(12歳以下)5ユーロ、但し催行は最低40ユーロから(2018年6月時点)。夜の見学も料金は変わりますが可能。事前の予約はこちらのサイトが参考になります。