プロヴェゼンデ(ドウロ地方の村)ーProvesende (Aldeia no Douro)
久しぶりにドウロ地方のAldeia Vinhateira(アルデイア・ヴィニャテイラー直訳するとワインを生産する村)の6つの村のうちの一つ、Provesende(プロヴェゼンデ)に立ち寄りました。ヴィラ・レアルの南東約30km、車で30分程の所にある小さな集落です。
プロヴェゼンデの名前の由来はLenda de Zaide(ザイーデ伝説)と言われています。かつてムスリム勢力がイベリア半島を統治していた頃、この地に居を構えたザイーデが、キリスト教徒により襲撃を受けた際に、”Prove (英語でprove) Zaide! Prove Zaide!”と死の間際に叫んだことが由来だとか。
プロヴェゼンデ出身で有名なのは、ドウロの救世主と呼ばれるJoaquim Pinheiro de Azevedo Leite Pereira(ジョアキン・ピニェイロ・デ・アゼヴェード・レイテ・ペレイラ)。1897年以降にドウロ地方が悩まされたフィロキセラ(害虫)による葡萄畑の被害ーアメリカからヨーロッパに持ち込まれたブドウ樹に付着していたこの虫のために、ドウロ地方の葡萄畑も壊滅的な被害を受けたのです。このとき、フランスの研究者達と協力してアメリカの葡萄樹の台木の上にポルトガルの葡萄樹を接ぎ木する方策を導入し、この甚大な被害から葡萄畑を救った立役者が、この人なんですね。
葡萄の収穫が行われる9月、10月にはこのプロヴェゼンデを含むアルデイア・ヴィニャテイラの村々で趣向を凝らしたお祭りが行われます。国道323号線Sabrosa(サブローザ)・Pinhão(ピニャン)間を西にちょっと逸れた場所にあります。絵になる村なのでドウロ地方訪問の際にお時間が許せば、是非足を延ばしてみてください。