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ポルトガルの個人所得の最低基準値ーMínimo de existência

2023/12/14
 
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ポルトガルでは、現首相(2023年12月11日現在)が非常住居住者のための優遇税制を今年一杯で終了すると宣言したことによる本優遇税制認定の駆け込み需要の増加、入国管理局の構造改革、そしてそれを決めた当人である政府関係者の汚職疑惑と総選挙(これ次第で法制化されていない事項についてはひっくり返る可能性あり?!)、とポルトガルへの移住を検討する外国人の頭を悩ませる話題に事欠かない師走ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今日は、それとは少々毛色が異なる内容かもしれませんが、2024年1月1日から発効される制度改正、ポルトガルの所得税法上保証される最低額について、書いてみたいと思います。何じゃ、それ?と思われる方に簡単に説明すると、ある一定の所得額までは所得税の課税はしませんよ、という国が保証する最低所得金額の話です。具体的には税額の計算上、課税所得から控除されます。それを超える所得額についてはもちろん課税されますし、申告が免除される規定ではありません(申告が免除される要件については簡単にですが別途こちらで触れています)。

この法律は以前から存在していましたが、昨年改定されて、2024年1月1日からの本格的な発効が予定されています。それまでの間の暫定的取扱いも規定されていますので、2023年所得に対する取り扱い、及び2024年以降の所得に対する取り扱いを確認していきましょう(以下、特に記載がない限り、2024年以降適用される所得税法の条項を参照しています)。

まず、対象となる所得は以下の所得に限定されます(CIRS第70条第2項)。

  • 給与所得
  • CIRS第151条に規定される事業活動(但し15で規定される活動は除く)から稼得される事業所得
  • 年金所得

ここでは、細かい計算は省き、最低基準値を確認することで課税が免除される目安金額を示します(最低基準値を超えていてもそれが僅かな場合は算定式より控除額が発生する可能性があります)。尚、従前は「税引後」の年間純所得額を基準としていたのが、今回の改正で税引前の総所得額を最低基準値と比較し、控除額の算定方法が改定されました。

[2023年の取り扱い]

年間の純所得額がIAS(社会保障指数。2023年の当該指数は480.43ユーロ)×1.5×14か月(=10,089.03ユーロ)より低い場合には、所得税の課税が発生しません。但し、当該純所得額は最低賃金の年間額を下回ってはいけないことになっているので(旧CIRS第70条第4項)、基本的には2023年最低賃金年間額(760ユーロ×14か月=10,640ユーロ)より低い所得の場合には、所得税が発生しないことになります。

[2024年以降の取り扱い]

最低基準値は、10,640ユーロとIAS×1.5×14か月のいずれか大きい額となります。ちなみに、2024年のIASは509.26ユーロとなっていますので、基準値は10,640より大きい10,694.46ユーロとなります。実務上は、税務ウェブサイトで関連数値及び簡易計算式を翌年第一四半期中に公表することになっている(CIRS第70条第6項)ので、それを確認するとよいでしょう。

尚、世帯の総所得額がIAS×2.2×14か月×納税者を超える場合、及び申告書上分離課税を選択した総所得額がIAS×14か月×納税者を超える場合には、本規定の適用外になります(CIRS同条第4項)。

 

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