ナディール・アフォンソの絵を見るーMuseu de Arte Contemporânea Nadir Afonso
日増しに寒さが募るとある休日の朝、久しぶりにシャベス(Chaves)方面に出掛けようということに。目的は、ナディール・アフォンソの美術館。ナディール・アフォンソと言えば、私の中では彼の絵を初めて見たボティッカス(Boticas)。そこにある美術館(Centro de Artes Nadir Afonso)の印象が非常に良かったので、また行ってみたいと思っていました。ちなみに下が↓そのときの写真。
そして、その時にこの地域で有名な(?)”Vinho dos Mortos(直訳:死のワイン)”にありつけなかったことが今だに心残りだったので、死者の日に死のワインなんて乙じゃない?とばかりに「ボティッカスにも寄ろうよ!」とおねだり、早速A24号線を北上したのでした。
さて、我々にしては結構張り切って早めに出たつもりだったのですが、道中たまたま立ち寄ったリベイラ・デ・ペナ(Ribeira de Pena)でそろそろランチにしよう、ということでレストラン検索。ポルトガルでネット検索をしてよく思うことは、この国は本当に口伝ての口コミの国で、ネット検索で入手できる情報があまり多くないということ。ですが、日本に比べて消費する場所の少ないポルトガルでは、食は国民のエンターテイメントの柱だし(勝手に思い込み)、外国人の投稿も手伝って、一応まだ情報がある分野の一つだと思います。さて話が横道に逸れましたが、私達は近辺の検索結果で第一位だったお店にトライしてみることに。山道を下って15分程度車で走った周りにほぼ何もないところに、そのレストランはありました。こんな辺鄙な所で予約なんて必要ないでしょ、と高を括って着いてみたら、まだ12時半なのに店の中は既に賑わっています。
トラズ・オズ・モンテスでは大体ポスタと決まっていて、バカリャウ料理を注文している客が結構いたので少し迷ったものの、この日も結局ポスタ。
人数が少ないせいかお店の人は忙しそうに行ったり来たり…結局、思ったより早くテーブルに着けたものの、メインディッシュが目の前に現れるまで約1時間(笑)。でも、最近無駄に値段だけ上がって満足度激減のレストランが増えてきた中で、量と味と値段のバランスがとれていて、また来てみたいと思うお店でした。多分、そこが観光客の少ないトラズ・オズ・モンテスの魅力の一つなのでしょう。そんな所行かんわ、と突っ込まれること承知で参考までに、お店の名前は”O Mineiro”です(笑)。
さて、お腹が満たされた頃には午後4時過ぎ。いかん、いかん、本来の目的を果たせずに帰るということだけは何としても避けたいということで、一人楽しみにしていたボティッカスは泣く泣くお預けで、そのまま本題のシャヴェスに直行。シャヴェスはホームでサッカーの試合かと見紛う程の込みよう。何かと思えば祭日(万聖節)を祝って街中お祭りでした。
ナディール・アフォンソ現代美術館(Museu de Arte Contemporânea Nadir Afonso)はモダンな建物で、シザ・ヴィエイラ(Siza Vieira)の建築です。入口はあまりにシンプルで一瞬本当にそこが入口か入るときに躊躇してしまいましたが、そこしか入口らしいものがないので、間違わないでしょう。中に入っていくと、ナディール・アフォンソの写真が迎えてくれます。大人5ユーロ、子供無料。
ところで、ナディール・アフォンソって誰?という方もいらっしゃると思うので軽く(しかできませんが)説明を。ナディール・アフォンソ(1920-2013)は、1920年にシャヴェスに生まれた幾何学的抽象画の画家です。もともとは建築学を学び建築家として活動していましたが、絵画に対する情熱を捨てきれずパリで絵の勉強を始めます。その後、絵の勉強を続けながら、近代建築の三大巨匠の一人であるル・コルビュジエの下で建築家として働いたこともあり、二足のわらじ生活を継続しますが、後年は画家としての制作活動に専念、2013年に93歳で逝去。
語れるうんちくもないので、とりあえず中を覗いてみましょう。いろんな場所が彼独自の表現でカラフルに描かれています。
ポルトガルで絵でも、と思ったら、是非足を運んでみてください。