トレスミナス(Tresminas)ーローマ時代の金山遺跡

トレッキング
Tresminas

私の住むヴィラ・レアルから車でシャヴェス(Shaves)方面約30分のところにヴィラ・ポウカ・デ・アギアール(VPA:Vila Pouca de Aguiar)という小さな町(Vila)があります。この町には、町の規模に似合わぬ陸上競技場があり、サッカーの試合や練習と言えばVPA、この近辺のサッカー少年なら知らぬ子はいない町です。我が家も御多分に漏れず、息子を連れてよく通っています。そんな町で、たまたま鉱山見学ができる案内を見つけて「なんや、ちゃんと観光できる場所があるんやん」と思った数か月後、やっと待ちに待ったその日がやってきました。

このところ、自分の運動不足に危機感?を感じ、気温が高くなりそうにない暇な週末を見つけては、家族を誘って家の近くのアルヴァン自然公園にあるフィズガスのトレッキングコースでなんちゃってトレッキングをした後、運動をしたことを口実にキンキンに冷えた赤ワインとポスタをがっつく、が病みつきになりつつある私。日本なら運動後の生ジョッキに焼肉、みたいな感覚でしょうか。そして先週末、気温は低くないけれど、鉱山だから大丈夫だろう、と、またポスタをがっつく口実を見つけて、VPAから車で約20分のトレスミナスの鉱山遺跡に向かった訳です。

トレスミナス(Tresminas)はローマ時代の遺跡で、今は稼働していない鉱山跡です。主に金の採掘が行われた鉱山で、ローマ帝国が特に1世紀から2世紀にかけて活発に採掘活動を行いました。1997年には「Imóvel de Interesse Público(公的価値のある文化財)」に、2024年には「Monumento Nacional(国定記念物)」に指定されています。近くには1992年まで稼働していたジャレス鉱山(Mineiro de Jales)があり、こちらも見学ができるように最近整備されたようです。

当日9時半に待ち合わせ場所に指定されたトレスミナスの鉱山遺跡群(Complexo Mineiro Romano)に到着すると、既に案内役のスペイン人女性が来ていました。フォス・コアの遺跡の案内もスペイン人女性だったなあと思いながら、全く噛むことない女性の流暢な話しぶりに圧倒される…。

余談ですが、前日の土曜日に当日の予約が可能か連絡したら断られたのですが、それは午後は山火事が怖いので受け付けていなかったから、ということでした。冗談に聞こえるかもしれませんが、ここのところヴィラ・レアル近辺は山火事が激しく、上空を消火に向かう飛行機が行き交う日々が続いています。この翌日も、空気が濁って、うっかり外に干した洗濯物が僅かに灰をかぶることに…。

まず案内板が迎えてくれる

さて、そのせいか、今回のルートは思ったよりも短く、上記の赤線のルートTrilho da Corta da Ribeirinha(リベイリーニャ露店採掘跡トレッキングコース)のうち、採掘跡の手前にあるGaleria dos Alargamentos(アラルガメントス坑道)までの往復でした。電話では2時間と言われていたのに早く終わったのは、予定していたコースより短かったからなのでしょう。

私達はガイドについて山道を歩きました。

山道をひたすら歩く

地下坑道は左

途中、景色が望めるポイントを過ぎて、お目当ての地下坑道に着きました。

坑道への入口

懐中電灯を片手にヘルメットをかぶって中に入ります。涼しいっ!身長160cmを超えると腰をかがめないと頭をぶつけてしまうようですが、低身長の私はほぼ問題なく普通の姿勢で歩けました。コウモリが見られるようで、連れはしっかり目視できたようですが、私は残念ながらどこにいるのか分かりませんでした。

当時ローマ人は砂金を確認して金鉱の存在の当てを付けた上で、金の採掘を開始したようです。金の生成には、石英と片岩が重要とのことで、片岩帯を走る石英脈を掘って金を採掘していたということのようです。

荷車を引いてできた跡が残る

鉱物が見えるでしょうか?

こんな機会、そうないのだから、もう少し予習してくればよかった…後悔先に立たず。

この後、Centro Interpretativo de Tresminas(トレスミナス解説センター)に車で移動して、トレスミナスの金の採掘方法などを解説した展示物を見ました。金を取り出す行程(金は他の物質と比べて重いのでその重さの違いによって分離できる程度まで細かく砕く)など、知識が全くない私のような人には興味深い内容です。個人的には、現場を見る前にこちらを先に見た方が理解が深まると思いました。

2階から見たセンター外観

センター内展示物

トレスミナスの見学は、電話かメールで事前予約が必要です。連絡先は、こちらです。https://tresminas.com/contactos/
一人当たり、ガイド付き見学は3ユーロ、センター見学は1ユーロでした。さすがに、人件費が払えないのではないか、といらぬ心配…。

さて、見学が終わったら、お楽しみの食事です。この日は、Pedras Salgadas(ペドラス・サルガーダス)に移動して、Nocos na pedra(石焼ステーキ)を食べることにしました。ペドラスと聞いて、カフェによく置いてあるあのPEDRASの水を思い浮かべた方、正解、そのペドラスです!

ボリューム満点!石焼ステーキ2人前

付け合わせのポテトと追加注文のサラダ

ステーキは放っておくとあっという間に火が通ってしまうので、すぐに食べない分は別の皿にでも取っておいて自分のペースで食べるといいです。石は頼めばもう一度温めてもらえます。

あー、今日も満足、トラズ・オズ・モンテス万歳!

 

コメント

  1. 牛坂博則 より:

    いやー、ポルトガルは奥が深い。X上ではポルトガルでも日本以上の寿司が食べられるとかよく投稿が有りますけど。
    ポスタですか。そして石の上で焼くステーキ。白いのは岩塩か塩なんでしょうけど
    赤いソースはピリ辛ソースですかね。

    • admin より:

      コメントありがとうございます!
      さすがよく見ていらっしゃいますね。
      写真には写り込んでいないですが、この他にも、ニンニクの入ったマヨネーズソース?がついてきます。
      ポルトガル内陸にお越しの際は、ポスタ是非お試しください!

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