ドウロ、トラズ・オズ・モンテス地方の愉しみ方

ポルトガルの所得税ー控除項目

2020/08/19
 
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注:こちらの記事は、個人所得税のうち控除項目に焦点を当てています。所得税の概要については、こちらを、法人所得に係る法人税の概要については、こちらを、不動産関連税制については、こちらをどうぞ。

そろそろ年末ですね。この時期、ポルトガルに住んでいる人なら、自分の税金アカウントにアクセスして、年間の控除項目の金額がどれくらいになっているか、取りこぼしはないか、見に行くのは私だけではないでしょう。この控除項目、日本でいうと、医療費などいわゆる所得控除の項目です。ポルトガルでは税率適用後の控除項目として取り扱われるので、ここでは税額控除と呼びます。以前こちらで触れたように、ポルトガルで所得税の税額控除として認められるためには、基本的にお店等でモノやサービスを購入して支払う際に、レシートに納税者番号を入力してもらうように頼まなければなりません(下表には当該性質から外れるものも含まれていますが、証憑を要求される点では同様)。

ちなみに、ポルトガルは日本に比べると一般的に所得水準が低いので(2017年平均賃金日本4,289千円、ポルトガル17,041ユーロ≒130円/ユーロ換算で2,215千円 per OECD stat)日本の感覚からすると比較的低レンジの所得に結構な所得税率が掛けられる上に、所謂基礎控除もなし。見方を変えると、日本の所得水準を維持してポルトガル居住者になると、日本以上の所得税を支払うことになりびっくりということも(ポルトガル所得税の概要については、こちらをご覧ください)。そのため、仮にこれから移住を検討する場合には、高度専門職や投資家等に支給されるビザ所持者に最初の10年間付与される特別な課税ステータスを享受できないか模索することになるでしょう。ただ、そんなステータスを享受できない、もう私はどっぷりポルトガル居住者です!となると、少しでも節税のために個人でできること、つまり、控除金額を頑張って増やすことになります。では、どんな控除項目があるのか見ていきましょう(2018年12月現在)。

1. 家庭一般費

負担額の35%を納税者一人当たり250ユーロまで

これは基本的にどんなものでも該当するので最初はせっせとレシートを集めようとしますが、逆算してもらうと分かるように年間総支出714ユーロ(≒250÷35%)が上限です。従って、光熱費や電話・テレビ・インターネット費用で夫婦2人分1,428ユーロが十分に賄えてしまうので、通常は放っておいても控除額満額になることを開始翌年度以降になってやっと学びました(笑)。

2. 医療費

負担額の30%を世帯当たり1,000ユーロまで

診察料及び医者の処方箋のある医薬品代、眼鏡代、健康保険料等が対象になります。

3. 教育費

負担額の30%を世帯当たり800ユーロまで(但し下記賃料があれば200ユーロの増額)

授業料、教科書(ちなみにポルトガルでは義務教育でも教科書は有料)代、給食代、通学のための下宿(25歳以下で実家から教育機関まで50km超離れていること)の賃料が対象になります。

4. 不動産費用

以下の負担額の15%を世帯当たり以下の上限額まで

RAU又はNRAUの下で締結された居住用建物賃貸契約に係る支払賃料を502ユーロまで
居住用不動産取得のために2011年12月31日までに締結された借入金契約に係る支払利息を296ユーロまで。

但し、低所得者には、上記それぞれ、800ユーロ、450ユーロを上限として所定の数式のもと増大されます。

5. 請求書の消費税

以下のサービスの対価に係る消費税の15%を世帯当たり250ユーロまで

自動車・バイクのメンテナンス・修理代
宿泊・飲食代
床屋・美容院代
動物(ペット)医療費

但し以下のサービスの対価に係る消費税は100%

公共の交通機関定期(回数)券代

6. 高齢者・障害者ケア(ホーム)費用

負担額の25%を世帯当たり403.75ユーロまで

最低賃金収入のない被扶養者、第3親等内の親族分まで認められます。

7. 養育費 負担額の20%で金額的制限なし
8. 主な税制上のベネフィット(上記5以外)

PPR(年金貯蓄):積立額の20%を年齢に応じた限度額まで
RPC(年金基金):積立額の20%を350ユーロまで
Reabilitação Urbana関連費用:消費額の30%を500ユーロまで
寄附金:寄附金額の25%を所得税額(Coleta)の15%まで(国・地方公共団体・宗教関連は上限無し)

但し、上記のうち家庭一般費以外の費目総額については、所得税額から控除できる金額の上限が決まっています。それが以下です。
1) 所得税額が税率表最低ライン(2018年12月現在7,091ユーロ)以下:制限なし
2) 所得税額が税率表最高ライン(2018年12月現在80,640ユーロ)超:1,000ユーロ
3) 所得税額が上記1) 2)以外の場合は所定の数式に当てはめて所得税額に応じて1,000ユーロ超2,500ユーロ未満の枠内で算定されます。
尚、納税義務者でない被扶養者がいる場合には、一人当たり5%増大されます。

夫婦合算申告の場合は上記の通りですが、夫婦個別申告の場合には上記の表で世帯当たりとなっている制限額は原則半額、被扶養者について生じる控除額も夫婦間で折半となります。

最後に領収書の認証を忘れずに。期限は毎年変わりますが基本2月中です。領収書発行主体が複数のサービスを提供している場合(例えば、パステラリアでは店内で食事を提供するサービスと単にパン等を販売するサービスの2種類のサービスの提供が考えられますね)、領収書はe-faturaのサイト上保留状態になっていて、控除金額に取り込まれていません。フリーランスや個人事業所得がある人もその所得が仕事と関連して発生しているのかどうか領収書の認証が必要です。

そして、肝心の自分の控除額…うーん、面倒臭がらないでもう少し頑張ればよかった…(笑)。

 

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