ドウロ、トラズ・オズ・モンテス地方の愉しみ方

ポルトガルの医療事情

2018/11/22
 
この記事を書いている人 - WRITER -

ちょっと前の話ですが…。「で、今日はどうされましたか?」保健センター(centro de saúde)の家庭医に聞かれ、「目の調子が悪いので、病院の眼科に紹介状を書いてもらいたいのですが」と言うと、「これはオープン診療(consulta aberta:朝一で救急でお願いすると、その日の空き状況に応じて、当日に診察の予約を入れてもらえる)です。病院診療の予約なら通常診療の予約を入れて下さい」と言われました。負けじと「でも、通常診療の予約を入れようとしたら、3か月後まで空きがない、と言われたんです」と言うと、医者は仕方なさそうに肩をすくめました。
ポルトガルの公的医療は、各人に家庭医がつき、体調に問題がある場合は、まず保健センターにいる家庭医に予約を入れて診察を受け、必要に応じて病院の専門医を紹介される、というシステムになっています。ポルトガルに来たばかりの頃、オープン診療のシステムを知らず、体調不良のときに家庭医の予約を入れ、診察日が来た頃にはもう治っているという、意味不明の状況に「???」と思ったものです(笑)。
家庭医はそのまま仕方なさそうに私の話を聞いて、パソコンに情報を打ち込んでいきました。3~4年前に網膜剥離を患って、そのときには病院にすぐに紹介状を書いてもらえ処置が受けられたものの、今回はそうは問屋が卸さず。緊急性がないと判断され、「病院システムに診察依頼を入れておきますが、1~2年待ちますよ」と言われて終了。テレビのニュースで言っていたアヴェイロの病院皮膚科7年待ちよりはマシか…と無駄にポジティブ思考。
ちなみに、上記は公的医療システムであって、速やかに診察を受けたければ、私立のクリニックや病院で診察を受けられます。公的医療を利用しようとしても前述のようにいつ受診できるか気が遠くなる状況なので、健康保険に加入していて(職場又は個人で加入)私立の医療機関が近くにあれば、私立の専門医を利用するのが一般的です。
ポルトガル国内で働き始めると社会保険庁で登録が行われ(ポルトガル国外で働くなら対象外)、つまり国の社会保険システムに組み込まれて社会保険料を支払うことになり(一応健康保険も兼ねています)、公的医療機関での支払がその分僅かに安くなります。ただ、公的医療機関への支払はそもそもそんなに高くないので、あまりメリットがありません(この部分はポルトガル医療の利点ですね)。またこの公的社会保険システムは私立の医療機関への適用はないので、私立の医療機関で受診したければ、保険適用なしで60ユーロ以上の診療費を支払うか、自分で保険会社の保険に加入して保険適用料金を支払うことになります。ただ、保険に加入した場合でも、日本のようにどこに行っても健康保険がきく訳ではないので、自分の加入している保険がその医療機関で使えるのかどうか、事前に確認する必要があります。最近は私立のクリニックの診察をオンラインで格安販売していて、これを使って予約を入れるシステムもあるようですが、多少大きい町ならともかく小さい町ではなかなか選択肢がないのが現状なのではないでしょうか。ちなみに、ポルトガルでは時々歯がない人を見掛けますが、これは歯科が公的医療機関に存在しないことと無関係ではないでしょう。

 

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

©Copyright 2020 ポルトガルー地味な街の地味な情報備忘録 All Rights Reserved.